Androidifyでドロイドくんを生成してみよう

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Google I/O 2025で、AIを利用して写真からドロイドくんを生成するAndroidifyというアプリが紹介されました。この記事ではAndroidifyの動かし方を説明します。

Androidifyについて

Androidifyは、GoogleがOSSとして公開しているAndroidアプリです。Gemini APIを利用して、写真に写った人物をドロイドくんに変換できます。Google I/O 2025のDeveloper Keynoteで紹介されていました。

Androidifyは、Firebase経由でのGemini API呼び出しのほか、Jetpack ComposeによるMaterial3 expressiveを活用したUIや、Navigation 3による画面遷移など、2025年の最新のAndroidアプリのお手本として作られています。ソースコードを読むだけでも勉強になりそうですが、どうせなら動かして体験したいですよね。

ソースコードを入手しよう

というわけで早速、Androidifyアプリを動かしていきましょう。まずはGitHubからソースコードを入手してAndroid Studioで開きます。とくに何も変更しなくても、ビルドして実行することができます。

しかしこのままだと、写真を撮って「Transform」をタップしても、エラーが表示されてドロイドくんは生成されません。

Logcatを見ると、com.google.firebase.ai.type.ServerException: Permission denied on resource project YourProjectId.というエラーが出ています。このエラーの原因は、Firebaseのプロジェクトが正しく設定されていないことが原因です。GitHubからCloneした状態では仮のプロジェクトのIDが書かれているので、自分でFirebaseのプロジェクトを作成して設定する必要があります。

Firebaseプロジェクトを設定しよう

ここからは、Androidifyアプリから利用するFirebaseのプロジェクトを設定していきます。まずはFirebaseのコンソールにアクセスし、「Firebaseプロジェクトを作成する」をクリックします。

プロジェクト名を入力して、「続行」をクリックします。

画面の指示に従って、設定を進めていきます。GeminiやAnalyticsを有効にするかどうか聞かれますが、どちらでも構いません。プロジェクトが作成できたら、プロジェクトのホーム画面でAndroidアプリを追加します。

Androidパッケージ名にはcom.android.developers.androidifyを入力します。(この文字列はbuild.gradle.kts (:app)applicationIdに書かれている文字列です。)そして、「アプリを登録」をクリックします。

google-services.jsonをダウンロードして、Androidifyアプリプロジェクトのappディレクトリの下にあるgoogle-services.jsonファイルを置き換えます。これで手元でビルドしているアプリとFirebaseのプロジェクトが関連づけられます。

画面には「Firebase SDKの追加」というステップが表示されていますが、このステップはGitHubからクローンしたコードに既に実装されているので、追加の作業は不要です。

この段階で再度写真を撮影して「Transform」を試してみると、Logcatに出力されるエラーの内容が変わります。com.google.firebase.ai.type.ServiceDisabledException: The Firebase AI SDK requires the Vertex AI in Firebase APIと出力されます。Firebaseには接続できたが、Vertex AIが有効になっていないことによるエラーです。

Vertex AIを有効にしよう

再びFirebaseのプロジェクトで作業します。「AI Logic」をクリックします。

「使ってみる」をクリックします。

Vertex AI Gemini APIの「このAPIを使ってみる」をクリックします。

Vertex AI Gemini APIを利用するには、従量課金制のBlazeプランを適用する必要があります。「アップグレード」をクリックし、支払い方法を選択して購入を確定し、プランの変更を完了させます。

APIを有効にします。

AI Monitoringはどちらでも良いと思います。最後に、「続行」をクリックします。

おめでとうございます!これでドロイドくんを生成できるようになりました!

ちなみに実際にかかる料金ですが、私が試した範囲だと、1回のドロイドくん生成に10円くらいかかっていました。思ったよりお金がかかるなあという印象ですが、ちょっと試したり遊んだりするぶんには問題なさそうです。あらかじめ予算額を設定して、指定の金額になったら通知することもできるようです。

AndroidifyはAndroidアプリの新しいリファレンス実装でありつつ、Firebaseを利用してAIを組み込むハンズオンとしても使えて、よいサンプルアプリだと感じました。

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